悪夢
白の開拓の論客である。
同年代ということで、根来と比較してみよう。
そしてこれが結構面白い。
彼は根来とは対極の位置にいる。
討論におけるスタンスも、行動の習性も。
根来は相手が自分の言葉を理解できないと見ると、表現を変え、相手を諭すように説得する。
悪夢は、自分の言葉を理解できない人間に対しても特に姿勢を軟化させることはない。
この相違は、根来は討論で何かを得ることを目的とし、悪夢は論破することを目的としているからだ。
悪夢は、論の力は決してNTGにも劣らない。だが惜しい点がいくつかある。
まず、論理の展開の仕方が自分中心主義に走りがちなことだ。
哲学的問題をふっかけておきながら、最後には自分がこうだからという話に走る。
冗長的な表現も相まって、相手を納得させるのが非常に厳しくなっている。
言わば、自分から非効率的で労力を要する論理の展開をしているのである。
第2に、才能を活かそうとしないこと。
その論理能力で特に何かをするわけでもなく、ただひたすら相手を論破して自己陶酔に浸って終わる。
端から見ると実に味気ない。
私の願望でしかないが、もっと色々なことをやってみるべきだ。
それと言葉で遊ぶ、という意識を持つと良いかもしれない
だが彼はきっとそうしないであろう。
何故なら現状に満足しているから。
余裕が無さ過ぎるから
そこが彼と根来の差であり、NTGとの差でもある。